ジャズの最も美味しい部分はアドリブソロなのかテーマなのか。
いっつも思います。
どちらがよりジャズを深く楽しめるのか。

作曲者が込めたブルーこそ、テーマのため息
わたしはジャズのテーマ以上のメロディをソロの中で即興で編み出したいと
考えていますが、やはり、ジャズの肝はテーマでしょうか。
テーマこそ、詩であり、
うたであり、
ブルーそのものの結晶でしょう。
しかし、演奏者はソロの中にジャズを見ます
ソロ演奏に夢中になり過ぎた演奏家と聴き手は乖離します。
演奏家のアドリブ格闘は時にずれ込みますし、コードを追いかける
手癖の連発もまた飽きさせるのでしょう。
しかしです。
演奏者は格闘しているのです。
自らとジャズと楽器と聴衆と。
ジャズのアドリブのルール、暗黙の抜け道、非常に難しい世界のなかで
美しいテーマと同等のアドリブを繰り出すのは、相当な練習量とパッション、技術が必要です。
それでも何か新しいテーマ以上の、もしくは同等の、はたまたテーマを裏付ける
テーマに寄り添う、押し上げるソロを弾いたとき、ジャズはジャズとして生まれ消えるのです。
この瞬間こそ、一瞬が永遠に変わる、そのときです。

ジャズのアドリブは美しく、一瞬が永遠に変わる写真のように
そんな瞬間が演奏中に起きたとき、そのジャズは、演奏は、名演として
人の心に残るのでしょう。
テーマを越えた、新しい作曲のテーマ。
ジャズはもともとの作曲者のテーマとアドリブをとる演奏者の共同のテーマ作曲として
生まれ変わるのです。
まとめ・ジャズのテーマとアドリブはふたつでひとつ
ジャズのテーマとアドリブはふたつでひとつの作品。
美しいブルーなテーマの間にこぼれたブルーを拾い上げ、味方にする。
テーマの補完ではなく、テーマの完結ではなく、テーマの続き、テーマの過去と未来を
今現在に描けた音こそが、そのアドリブこそが
美しいジャズにキスを与え、名演とされ変換されるのでしょう。
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